法被の色移りの修正事例 Before&afterです。
夏祭りのハイシーズンですね。
年々暑さが厳しいので・・
この暑さで汗だくになって踊るのは如何なものかって思ってる人もいるでしょ。
楽しいはずのお祭り
盛り上がるはずのお祭り
でも暑さで演者も観覧者も体調を崩してしまっては最悪です。
とは言え・・
やるからには参加したいですよね。
参加する際には衣装を着る訳です。
その衣装は年に一度のお祭りの日にしか着ないけど・・
特別な服でしょ
汗だくになる時に着る
つまり
濡れるんです。
実は法被は色が出るものがとても多いですよ。
乾いている時は出ないけど濡れると色移りしちゃったり色が滲んだりする。
今日の事例でご紹介する法被は洗濯して色移りしたんではないそうです。
洗濯はしていないそうです。
何年も洗わないで着続けないとこうはならないんじゃないかな?って感じの黒ずみ汚れも相当凄い事になっていました。
神輿を担いで付いた汚れだけじゃないと思いました。
そんな黒ずみ汚れはさておき・・
じゃどうしてこんな風に色移りしてしまったのか?
原因は洗濯でも着用中の汗でもなく雨だそうです。
暑さも異常ですが急な激しい雨も全国各地で凄いですもんね。
そりゃね
お祭りで神輿の担ぎ手や踊り手が傘なんか持つはずないですよ。
カッパなんか着る人居ないでしょ。
だからもう雨が降ってきたらただ濡れるしかないでしょ。
私は黒ずみの汚れだって相当気になりますが・・
お客様が気になってるのはド派手な色移りです。
青と赤の色移りを取ってくれってのが要望です。
実はこれ・・
作業後もキレイになっていません。
赤い色移りは綺麗になったんですが・・
青い色移りは残っています。
Before&afterで比較すれば良くなってるのは一目瞭然です。
でも薄くですが残ってます。
ここまで薄くなったんだから・・・
もういいよね。
って思うより
ここまで薄くなったなら、完全にシミを取りたい
って思う気持ちが圧倒的に強いんです。
もう一回
もう少し強く
と
やれることを考えます。
それから
今回は染み抜きの作業対象外の黒ずみ汚れ
実は色移りよりこっちを綺麗にする方が簡単だったりするかも?
って事は・・・
まず色移りを綺麗にして・・
それから黒ずみを綺麗にして・・
もう見違える様に出来るかも?
と思ってしまう訳です。
染み抜きは趣味じゃないんですよ。
仕事なんですよ。
手間がかかればかかるほど、お客様の負担は増えるんです。
僕が出来る事を無理強いするのではなく、お客様がしてほしい事をするのが仕事です。
お預かりしたからには責任がありますし、プレッシャーもあるんですよ。
最も最悪なのは・・
もう少しもう少し
と
無理をしてお客様にモテようと欲張った結果
うわ~~~
あの段階でやめておけば十分着る事が出来たのに!で後悔してしまう事です。
実はこの経験は何度もあります。
まだまだ見極めが未熟なんです。
ワンチャンイケるんじゃね?みたいな気軽な感じでトライしてる訳ではありません。
しかし、どこかそれに近しい気持ちがあるんです。
ここまで綺麗になりました
と
完全にきれいになりました
では
金メダルと4位入賞ぐらいの差です。
しかし
お客様は料金次第ではありますが4位じゃなく銅メダルをくれるかもしれません。
クリーニング屋のプライドなんかどうだってよくて・・
お客様がまたその服を着る事が出来るかどうかが一番大事です。
正直、悔しいですし、完全に除去したいって気持ちがあります。
ただこれ以上は本当にハイリスクである事も知っています。
もう新しいの買うわ
って決断するのは私じゃなくてお客様です。
キレイになるかもしれないけど、染み抜きにその値段は出せないって判断するのもお客様です。
経過報告の際のご提案に納得して頂けたのでこの状態でのお渡しとなりました。
ご利用ありがとうございました。
また何か洋服の事でお困りの事があればいつでもご相談下さい。
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