デニムジャケットの襟の汗染みが酸化して黄ばんでしまったとの事。
部分的に合成皮革が使われていて、経年劣化によって表面がひび割れて剥離してる状態です。
この合成皮革が部分的に使われてる洋服はものすごく多いです。
主な素材は長い間状態を保てるとしても・・・
部分使いされた合成皮革は劣化するのが早く数年でダメになってしまいます。
これがダメになったら・・
もう着られないって判断される服の場合。
他の部分は大丈夫なのに、もう寿命って事になってしまいます。
依頼品の場合。
その劣化が著しい部分が裏地に付けられたブランドタグなので、ここがダメになっても着用には問題なしです。
見えない部分ですし、お客様も了承済みで作業をさせて頂きました。
お洋服を買う理由は衝動的な感情であったとしても、何かが気に入ったからですよね。
買ったばかりの感情は、良い状態で長く着たいって思うはず。
売る側としては、部分使いの合成皮革が早々に劣化してしまうなんて事を知られたくはないですね。
だから言いません。
知ってても言わないでしょうね。
じゃ、こちらから聞いたら・・・
僕は聞いた事がありませんがどう答えるんでしょうね。
でも、数週間とか数か月でダメになったりはしませんので・・
とか言うんでしょうかね。
色が変化する。
デニムなんかはみんな知っています。
デニムを着た事ない人でも知ってるんじゃないでしょうか。
その色の変化が望ましいとすら思ってる人もいらっしゃいます。
デニムをペットの如く育てるなんて言い方で愛情を注いでる人も男性には多いと思います。
同様にリアルなレザーも自然な変化を「味」をしてポジティブに捉える人が多いです。
しかし合成皮革は違います。
メンテナンス性の良さ
製造コストの安価さ
動物保護
等
良い点は沢山ありますし、ハイブランドも積極的に取り入れています。
私も個人的には大賛成です。
ただ「洋服」の場合は変化(劣化)してしまう事だけがは避けられません。
車のシートやお部屋のソファーなんかは大丈夫な事を実感してるので洋服の合成皮革とは明らかに何かが異なるんだと思います。
そんな洋服に使用される合成皮革の素材の特性を知るのは、クリーニングに出す際かもしれません。
べたべたしてきたり・・・
日焼けした肌の皮が剥けるような感じでボロボロと剥離してきたり・・・
同業の方におかれましては、もう合皮の劣化を嫌という程観てるのではないでしょうか。
何度も何度もお客様にご説明をしてるのではないでしょうか。
今日の事例のメインは汗染みの黄ばみなのですが、もし部分使いの合成皮革の状態を保って欲しいとの要望であれば、この染み抜きは別の方法を余儀なくされたと思います。
同じような汗染みの黄ばみであっても
色が変化してしまうデニムであれば、それを意識しなければなりません。
また合成皮革が使われていれば、それも意識しなければなりません。
依頼品によって一点一点最善のメンテナンス内容は異なります。
それを見極める事がとても大事です。
お客様の大事な一着にあわせて検討させてください。
お問い合わせお待ちしています。
Comments